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リトミック指導者

リトミック指導者とはどういう仕事か

「リトミック」とはフランス語の「rythmique」という言葉からついた名称で、英語では「eurhythmics(ユーリズミックス)」と言われる教育法の一つです。

特徴は音楽を使用した教育法だということで、19世紀~20世紀初頭くらいの時期に新教育運動が世界的に起こりその流れの中で発生をしていった歴史があります。

創始者はスイスの音楽教育家であり、同時に作曲家でもあったエミール・ジャック・ダルクローズでその名前を冠して
「ダルクローズ音楽教育法」と呼ばれることもあります。

音楽は人の心に大きな影響を与えるということがわかっていますが、このリトミックでは子供に対してそれを行うことにより
「情操教育」「音感教育」「生活習慣」を同時に身につけることができるとしています。

子供向けの音楽教室や楽器演奏などの習い事も数多く実施をされていますが、このリトミックはそうした特定の技術を習得するためのものとは異なり
もっと人の能力の土台である精神面を強くすることができる基本教育として用いられます。

現在は早期教育の全盛期と言ってもよいほど幼い子供に対してより小さなうちから勉強やスポーツなどの習得をさせようとする動きが加熱しています。
しかしそうした技術や知識の習得はもともとの土台がしっかりしていないと将来有機的につながった能力として発揮をすることができず、
必ずどこかで壁にぶつかることになります。

そこでリトミックではあらかじめその後に多く知識や技術を習得するための人としての「器」を作るための教育法という位置づけで、
そのあとにあらゆる方面に能力を発揮する子供に対して有効です。

リトミック指導者となるためには

そうしたリトミックという教育法を行うためには、専門に講座を受けて技術を習得しなければいけません。
リトミック指導員資格を得るためにはまずは主催団体に申し込みをして、そちらで実技を含むレッスンを受けていくことになります。

リトミック指導員という資格や技能は一つの団体のみが主催をしているわけではなく、国立音楽院を始めとし、
NPO法人日本こども教育センターや、リトミック研究センターなどの複数の団体で独自のプログラムを用意しています。

基本的にはそれらの団体はどれも本家であるリトミック教育法をもとにカリキュラムが作られているのですが、その他に取得できる資格があったり
実習の内容が異なったりということがあるので、受講をする際にはそうした違いもきちんとチェックをして選ぶようにするのがよいと思います。

リトミック指導員となるために必須となるのが楽器演奏で、中でもピアノ演奏はかなり重要な位置を占めることになるので
少なくともブルグミュラー程度までの技能は身につけておいた方がよいでしょう。

とはいえほとんどのリトミック指導員の受講者は幼稚園教諭もしくは保育士の資格を持っているので、
そうした資格にスキルアップとして付け足すための技能を身につけるという意識で目指すのがよいと言えます。

リトミック指導員としての勤務先

リトミック指導員としての勤務先としては、やはり幼稚園や保育園といった幼児教育施設が最も多くなります。
子供の教育の質を高めるということで、それらの施設が職員に対して積極的に受講と資格取得を勧めるというところもあります。

資格を取得することで毎日の教育にそのまま生かすことができるとともに、親子で参加ができるレクリエーションで実践をしていくこともできます。
ワークショップやカルチャースクールとして独自に講座を開くことも資格をとることでできるので、
自分自身のキャリアアップのために早めに取得しておくことをおすすめします。