保育士として働くならまず「耳」が大切です

d9e7c878ed84bc67676996bb3676ce55_s保育士として仕事を続けていくなら、まず一番に養ってもらいたいのが「耳」です。
「耳」といっても単に話や音を聞くためだけの機能ではなく、全体を把握してそこから状態を受け止めることができる力全般というふうに言い換えられます。

保育士として仕事をしていくときに一番難しいのは、子供というよりもその保護者たちとの関係です。
保護者の方にしてみれば、自分の大切な我が子を見知らぬ他人である保育士さんに預けるわけですから、最初はかなり緊張をしています。

特にその土地に来てまだあまり日が経っていない人や、初めて子供を持った親御さんになるとなおさらです。
自分自身が子育てに慣れていないことで、子供の異変に対してとても敏感になってしまっていることがよくあります。

そうした人たちからのちょっとした疑問や質問に対して、自分の判断だけで重要度を判断した対応をとっていては、場合によっては相手に「不誠実な対応をされた。信用できない人だ」という印象を与えてしまうことにもなります。

まずはしっかりと周囲の声に耳を傾け、本当はどうしたところに不満や不安を感じているかということを読み取って対応を考えていくことが保育士として大切なスキルになってきます。

子供の変化に気づける観察力

また、保護者ばかりでなくきちんと目の前の子供にも注意を払うことが大事です。
子供はちょっとしたことですぐに体調を崩してしまいがちですし、さらに最近ではアレルギーなど体質的に集団生活になじまない場合もあります。

もしそうした事態が起きてしまったときに適切な対応ができるように、普段から子供の体調の変化を細かく観察しておき、ちょっとした異変も見逃さないようにすることが大事です。

それと近年、社会問題になってきているのが両親や同居する大人からの虐待です。
虐待には怪我をさせるような身体的虐待の他、心理的に大きな傷を与える心理的虐待、また家庭内での育児を放棄するネグレクトといった多くの種類があります。

それらの多くは家庭内でだけ行われているため、外部の人が気づくことは難しくなっています。
ですが保育士という仕事では親のもとを離れた子供と一緒の時間を多く過ごすことができることから、そうした虐待の疑いにも比較的気づきやすい位置にいます。

これまでは「家庭のことは家庭に」と見て見ぬふりをしていることが多かったのですが、今後はさまざまな社会的事例を受け、より積極的に介入をしていくという方向に保育士も動いていくでしょう。

時に優しく、時に毅然と

保育士として仕事をしていくときには、時には優しく、また時には毅然とした対応をしていくことが大切になります。
それは子供に対してもそうですし、保護者や関係者に対してもそうすることが必要になる場面がいくつもあります。

普段は柔和でも構わないのですが、もし子供が危険なことをしようとしたときや、どうしても園として受け入れられないような要求をされたような場合には、問題を後回しにするのではなくきちんとその場でしっかりと言葉にすることが大切になります。