チャイルドマインダー

英国発の新しい託児のための資格

「チャイルドマインダー」といえばバラエティ番組で嵐のメンバーが取得したことで一躍知名度を上げた資格です。
チャイルドマインダーという名称はもともとは育児の先進国である英国で発祥したもので、
すでに一般に職業として導入されてから70年もの歴史があります。

現在英国内で子育てをしている世帯のうち、自宅外での保育をしている人の約70%がこのチャイルドマインダーを利用しているというのですから、
いかに国民的な職業として定着をしているかということがわかります。

そもそもの話としてどうして英国でチャイルドマインダーという仕事が発生したかというと、
それは産業革命の頃に多くの労働者が外に働きに出てしまうことにより子供を誰かに預かってもらわなければいけなくなったからです。

日本においても同じように農村部などでは昼間親が子供の面倒を見ることができないことがありましたが、
そうした時には地域共同体として檀家というシステムが機能をしていたので集団保育という習慣が抵抗なく受け入れられるようになりました。

しかしそうした檀家システムのような地域の宗教施設が託児を行うという習慣がなかった英国においては、
保護者である親が個人的に誰かに子供を預けることを依頼しなくてはならず、そこで自宅に近い環境の中で少人数の託児を行うという仕事ができました。

それが現在まで続くチャイルドマインダーという仕事の原型です。
チャイルドマインダーでは子供を預かる数は4人までという大変に少ない単位になっているのが特徴で、先生一人に対して子供が数十人といった授業形式ではなく、
家庭内での育児に限りなく近い環境で教育をしていくということを徹底しています。

保育士不足を補う新たな資格として注目

チャイルドマインダーという仕事が急激に日本において有名になった背景には、待機児童など保育所不足の問題があります。
現在子供を預ける施設として最も信頼性が高くかつ安価なのは公立の保育所であり、それだけにそこに入れたいと考える親の数は相当数になっています。

特に都内では申し込みをするために調査や訴えかけが必要なほどにかなり厳しい状態が続いており、
そうした厳しい状況で思うように入所をさせることができなかった親のための受け皿が必要となっています。
なので保育所以外の民間の託児施設の存在が大きくクローズアップされることになるわけですが、
現在の日本の法律では一定人数以下の託児施設では保育士のような資格は不要となっているので大切な我が子を預ける側の親にとってはとても不安が残るものになってしまいます。

そこで少人数保育に特化したチャイルドマインダーという資格を日本でも導入をしていくことにより、安心して預けることができる施設の数を担保することができるというわけです。

チャイルドマインダー資格の取得について

チャイルドマインダーという資格は日本では国家資格としてはなく、民間団体が独自の企画によって行う民間技能資格として行われています。
資格を主催している団体は一つだけでなく、複数の財団法人やNPO団体が行っていることになっているので、
資格を取得するときにはどういった組織が母体であるかきちんと確認しておいた方がよいでしょう。

中でも最も知名度が高く信頼性があるのがNCMA,JAPANという団体が行っている資格で、
こちらは既に日本国内に2万人以上のチャイルドマインダーを送り出しており、現役の保育士や幼稚園教諭も数多く取得しています。