増えつつある男性保育士

かつて「保母さん」と呼ばれ、女性が就業する仕事とされてきたのが保育士です。
現在では法律が改正されたことで男性にも広く門戸は開かれることとなりましたが、それでもまだまだ実際に就業している人は少ないというのが現状です。

保育士全体のうち、男性が占める割合は2010年の段階で約2.5%となっています。
いかにも少ないという印象ですが、法律改正前の1995年時点では0.8%だったことを考えれえばかなり増えてはきているというふうに見ることもできます。

これまでは社会風習的に育児に積極参加する男性に対してネガティブなイメージがありましたが、実際には普通に家庭生活を送っている男性の中にも、
子供と触れ合うことが大好きであったりそうした育児に関する業務を仕事にしていきたいと考える人は潜在的に多くいました。

そうしたニーズもあって、男性の中にも中高生の頃から将来の夢として「保育士」を挙げる人も出始めてきています。
これからの保育士という仕事の発展や後輩たちのために、ぜひ未来のなり手たちの成長を期待したいところです。

男性保育士が増加しづらい理由

男性保育士に限らず、女性の保育士にも言えることなのですが、保育士という仕事はなかなか定着率が安定せず、
早期に退職をしてしまう人が多くなってしまっています。

その理由となっているのは保育士という仕事に対して得られる報酬の低さです。
給与水準としては一般の会社員と比較してかなり低くなってしまっています。

また、長く勤務をしていても昇給がしづらくそのことも長期的に勤務をしようという意欲をそぐことにもなってしまっています。
保育士の仕事は力仕事も多く、時間外での事務作業も多いためそうした給与面での不遇があるとかなり働く人のモチベーションが下がってしまいます。

給与に関しては喫緊の課題として、自治体の政策としてこれから改善策をとっていくということも計画されています。
少しずつながら改善している部分もあるので、これから勤める人はやりがいと給与を天秤にかけなくてはいけないという
ジレンマはなくなっていってくれるのではないかと思われます。

それとは別に男性保育士特有の悩みとなるのが、職場内に男性向けの施設や設備が少ないということです。
人数の少ない男性保育士ですが、職場で働くということになると着替え室やトイレといった専用の設備が必要になります。

そうした設備が準備できないために積極的な採用ができないという施設もあるので、そのあたりも今後改善していかなければならないポイントです。

男性保育士の増加が「イクメン」を増やす

04325baca298da810578917a12d94a1c_s男性保育士の増加は、業界的な影響だけでなく社会全体へも大きなインパクトを与えることになります。

育児に積極的に参加する男性のことを「イクメン」と呼びますが、
依然として男性の育児休業取得率が低い水準となっているように、なかなか実際に参加している人は増えていないのが実情です。

しかし男性保育士という子供の世話を行う男性の職業が一般化することで、家庭内でも男性の育児参加を自然に受け入れていくことができるようになります。
様々な障害はあるものの、ぜひこれから男性保育士さんは一人でも増えていってもらいたいです。