公立保育園を民営化!現場保育士の声

公立保育園民営化が及ぼす影響

現在全国的に進んでいるのが公立保育園の民営化です。
完全に民営化するのではなく半民営化といったような複雑な方法をとることもあるようですが、
全体的な動きとしては国や地方自治体の保育に関する予算を大幅に削減したいという意図が働いているように思います。

今現在既に公立の保育所や保育園に勤務をしている保育士に聞いて見たところ、
そうした民営化の動きに諸手を挙げて賛成ということはまずなく大半の人員が反対という意見を述べています。

この問題を語るのは簡単ではなくいくつかの段階においてそれぞれの意見を聞く必要があるのですが、
中でも軽視されていると感じているのが今現在最前線で勤務をしている人の声です。

実際のところ保育士資格者のうち保育関連の施設に勤務している人というのはごく少数で、ほとんどが待遇の悪さを理由に別の仕事についていたりします。
一方で狭き門をくぐってなんとか公立の保育所の施設に勤務することができた保育士にしてみれば、劣悪な就業環境ではあるものの、
公務員としての地位を得ることができるというところを支えにやってきたという側面があります。

そこで無資格者でも保育の仕事ができるという政策は、一見多くの人材を雇用することができるように思えますが
それまでギリギリで頑張ってきた保育士関係者を全く蔑ろにするものだったと言わざるをえません。

冷静な民営化に対する意見もあります

上記のような意見だけを集めると、社会を改善するために現職が損をするのは仕方がないというような意見を反論されることもあります。
ですが多くの保育士さんは現場の声を聞いている分考え方も現実的で、安易な改善策を提案する国や自治体に辛辣な意見を持っていることがよくあります。

中でも懸念されているのが資格をなくすことによる保育の質の低下で、これまで多くの保育士達が培ってきたスキルが全くゼロになってしまうことを懸念されています。

決めつけることはできませんが、保育の人材を軽く扱う人というのは「ある程度の年齢になれば自然に育児の仕事ができるだろう」という母性への根拠の無い絶対的な信頼感があります。

ですが実際には幼児教育は非常に理論が深く、他人の子供を預かり教育する立場にある人にはかなりの能力が必要になってきます。
保育士資格を事実上無効にするという施策が将来的に託児率の向上に良い影響を与えるかどうかはわかりませんが、少なくともそうすることで幼少期の教育内容による格差拡大は進むことは確実です。