療育センターとはどういう施設か

「療育センター」は、障害があるもしくはその疑いがある子供に対して専門医がリハビリや診療を行っていくための施設です。
全国には子供を受け入れる療育センターが数多く設置されていますが、場合によっては「こども病院」や
「発達障害者支援センター」や「大学小児科・大学病院」として運営をされているところもあります。

対象となるのは知的障害や重症心身障害、または重度重複障害を持つ子供たちで、通院の他入院や入所をすることができるようにもなっています。
施設によって専門分野を分けている自治体もあり、肢体不自由児施設や発達障害者支援施設といったように特定の症状の子供だけを受け付けることも行われています。

「療育」という言葉には「医療」と「保育」の二つの意味が含まれており、障害があることで保育をするということがそのまま治療になるという場合に用いられています。
全国にある療育センターでは障害児を専門にする小児科医や看護師、さらに理学療法士、作業療法士、言語療法士といった医療スタッフが常駐して治療にあたります。

また施設内で保育も行うことから保育士が雇用されていることも珍しくなく、
ほかにも大きなところでは臨床心理士や児童指導員、介護福祉士といったスタッフがともにチームとなっていることがあります。

療育センターを利用するまでの流れ

一般の子供の病気の場合、その保護者にあたる人が自分で通う医療施設を見つけそこで診療を受けることになります。
しかし子供の障害というのはなかなか一般の人には見つけにくく、そのほとんどが通常の定期検診の時などに発見されています。

そうした障害の疑いがある子供に対しては検査や診療をした医師が最寄りの療育センターの受診を勧めるので、
まずは住所のある市区役所に連絡をして受給者証の交付を受けます。
この時に受け取る受給者証はその障害の程度や種類によって異なりますが、
大きく「児童福祉法によるもの」と「自立支援法によるもの」の二種類に区別されます。

これらのうちどちらの受給者証になるかは診断を受けたり通園をする施設を決めたりしてからでないと決められないということもあるので、
まずは福祉窓口の担当者に詳しい手続きについて尋ねてみるとよいかと思います。
受給者証が発行されたら施設に電話をかけてそこで具体的にどういったスケジュールで通院や入所をするかを決めていきます。

なお療育センターの利用については市区町村の役場の窓口だけでなく、児童相談所や幼稚園・保育園などの施設でも受け付けをしてくれる場合もあります。

療育センター内での保育士の仕事

療育センター内では医師や看護師といった医療系スタッフとともに、保育士が障害を持った子供のための保育活動をしていくことになります。
中でも保育士の求人が多く出されているのは自閉症や発達障害を持つ子供が入所する施設で、
他人とうまくコミュニケーションがとれない子供に対し、その心を受け止め自立心を育てていくという教育を行っていきます。

病院施設ではないということもあり、施設での運営方法はそれぞれ大きな違いがあり院長の運営方針により保育士の役割は大きく違ってきます。

通常の保育士としてのスキルとは全く異なる障害児を対象にした仕事をしていくことになるので、
学校を出たばかりの新人がすぐに採用されるということは少ないようです。
ほとんどの保育士がまずは一般の保育施設で勤務をしそこで転職をする形で療育センターに入ります。