男性保育士に担当されることでのメリットとは

「保母」という職業名称が「保育士」に変更になったのは、平成11年4月の児童福祉法の施行以来です。
それまでも男性保育士のことを「保父」として業務を行う人がいましたが、男女による職業名称を変更することが差別になるとして、現在では同一の名称に統一されています。

保育士となるための条件は男女ともに変わりなく、都道府県の保育士登録簿に登録された保育士免許を持っている人であれば自由に職場を選ぶことができます。

保育士の仕事は全国にある保育所を中心として、その他の児童施設(児童養護施設、乳児院、母子生活支援施設、障害児施設など)に勤務をして、
そこで子供の支援を行うということです。

職場内には多くの子供たちが預けられてきますので、そこで一人ひとりの発達状況に応じて遊びや行事活動などを通し、成長の手助けをします。

男性保育士が保育所にいることの最大のメリットとして、女性職員には難しい力仕事を担当できるということです。

また、園内を離れた屋外での行事やイベントのときに、男児をトイレにつれていけるという点があります。

それと、女性しか勤務していない保育施設というのは犯罪者からのターゲットになる可能性があるため、
一人でも男性がいるということ自体が大きな防犯効果になるという側面が有るのです。

子供にとって男性が育児に参加するということ

力仕事や防犯面ということばかりがクローズアップされがちな男性保育士ですが、もちろん本業となる保育業務においても大きな戦力となってくれます。

というのも子供の生育環境においては「男性」という存在が大きな意味を持つことが多く、
幼い時期から自分のことを大切にしてくれる男性の存在ということが男児・女児ともに心の支えとなるからです。

現在ではシングルマザーなどひとり親の家庭も増えてきていますし、また父親・母親ともにいる家庭であっても、
仕事の都合や勤務時間帯により、子供がほとんど大人の男性と触れ合うことができないということもあります。

自分のことを守ってくれる男性の存在というのは、大人の女性とはまた違った心理的な支えとなるものですので、
男性保育士さんのいる保育所は子供や保護者にとって大きなメリットがあると言えるでしょう。

一方で女性中心に仕事が進められている保育所内において、男性保育士が人間関係的にうまくなじめないということは大きな問題となります。

職場内のコミュニケーションとして、女性十数人の中に男性が一人だけというのは居づらいものですし、
何かと気を使う場面も出てきてしまいます。

ある意味その職場内の「居づらさ」こそが、男性保育士の普及を妨げる最も大きな原因となっているのです。